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柴本 泰照; 井口 正; 中村 秀夫; 久木田 豊*
Proceedings of 11th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-11) (CD-ROM), 11 Pages, 2003/04
沸騰垂直流路の安定限界における系圧力の影響について、解析的及び実験的な検討を行った。モデル作成は、Wallis-Heasleyの熱平衡・一次元均質流モデルに基づいて行った。システムの特性方程式が解析的に解けるように、通常ムダ時間要素で表現される入口流速に対する各種応答を一次遅れ要素によって表した。これは、近似表現ではあるが、特性方程式内で個々の要素を分離して表現できるため、不安定に対する支配因子の特定が容易となる。提案した簡易モデルについて、Ishii-Zuber安定マップ上で実験データと比較した。安定限界を示す実験データは、系圧力に大きく依存する結果となった。本モデルによる予測値は、二相流域の圧力損失に対する系圧力の影響を考慮することで、実験データをよく予想できた。また、システムの固有振動数は、二相流の通過時定数と密接に関係し、これもモデルでよく予測できた。
J.U.Knebel*; 新谷 文将
Proc. of 2nd Japanese-German Symp. on Multi-phase Flow, p.447 - 453, 1997/00
受動的安全炉では事故時の炉心冷却を冷却材の自然循環により行う方式が多く採用されている。しかし自然循環は駆動源が小さいため不安定になり易く、除熱の低下が懸念される。一方、過渡熱水力解析コードは、こうした流動状況に対する適用性を十分検証されていない。そこで検証用データ取得のための実験を高圧小型水ループを用いて実施した。本研究は、その第一報である。実験パラメータは、圧力、二相部流動抵抗、ヒータ出力であり、それぞれ0.3~15.4MPa、5種類の弁開度、4.4~160kWの範囲で実施し、200点に及ぶデータを取得した。実験データの整理の結果、本実験で得られた振動は密度波振動と考えられることが分かった。また、新たに導入した無次元数N(N)/2を横軸とし、縦軸をNとすることにより、広範な圧力範囲の安定/不安定境界を同一グラフ上に示すことができることも分かった。ここに、N: フェーズチェンジ数、N: フルード数、N: サブクール数である。
岡崎 元昭
Transient Thermal Hydraulics,Heat Transfer,Fluid-structue Interaction,and Structural Dynamics,ASME94, 0, p.65 - 73, 1994/00
沸騰二相流中に生じる密度波振動型不安定挙動を解析するためには、流れの非定常性の物理的本質を捉えた解析をする必要がある。そのため、はじめに偏微分形の基礎式を特性曲線法によって常微分化する必要がある。沸騰二相流の特性方程式の導出に当たっては特性曲線の一つである圧力伝播速度を現実の速度に合うように導くこと、相変化項を熱力学の法則によって適切に記述することを考慮している。さらに、二種類の特性曲線によって特性化された差分方程式による数値解法を示す。本数値解法の妥当性を検証するため、温度上昇に伴う密度変化により流速が上昇する水並びに蒸気単相流について、又、相変化に伴うクオリティ変化により流速が増大する飽和二相流について質量保存とエネルギ保存が達成されていることを確認した。又、沸騰二相流に生じる密度波振動について、いくつかの影響因子をパラメータにした数値計算例を示した。